2012年07月16日

26年経ちました。

今日(15日)のNHKニュースで、福島第一原発事故に
伴う、避難区域の見直しに関するニュースを報じていました。
   
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

飯舘村でバリケード設置始まる
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120715/k10013608201000.html

 政府が進める原発事故の避難区域の見直しで、
17日に新たに3つの避難区域に再編される
福島県飯舘村では、長期にわたり居住が制限される
「帰還困難区域」となる地区の入り口にバリケードを
設置する作業が始まりました。

 村の全域が計画的避難区域に指定され、6000人余りの
すべての住民が避難を余儀なくされている飯舘村は、 17日
午前0時に、新たに3つの避難区域に見直されます。
再編は地区単位で行われ、このうち、村で唯一
「帰還困難区域」に指定される南部の長泥地区では、
人や車の出入りによる放射性物質の外への拡散や
不必要な被ばくを防ぐため、15日から政府の委託を
受けた業者がバリケードを設置する作業を始めました。
設置作業では土台の上に開閉式のフェンスを取り付け、
しっかりと閉めることができるか確認していました。
バリケードは地区の境界に6か所設けられることに
なっていますが、地区はこれまで出入りが自由だったことから、
住民の要望を受けて、うち4か所は暗証番号式の鍵で
開閉できるようになっています。鍵は17日午前0時に
かけられ、それ以降、地区の住民は伝えられた暗証番号で
バリケードの鍵を開けて出入りすることになります。
原発事故後、福島県内の市町村に指定された避難区域が
見直されるのは、飯舘村で4か所目です。
 
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 
このニュースを聞いて、9日(月曜日)に聞きに行ってきた
「政策塾」の「チェルノブイリ視察報告」をすぐに
思い出しました。

 2つのニュース記事を紹介します。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
(1)
チェルノブイリ事故:26日で26年 大規模除染を断念 
毎日新聞 2012年04月25日 

http://mainichi.jp/select/news/20120425k0000m030103000c.html
 
史上最悪の放射能漏れを起こしたチェルノブイリ原子力発電所
(旧ソ連・ウクライナ)の事故から26日で26年になる。
東京電力福島第1原発事故後、日本政府は除染活動などの
参考にしようと関心を示しているが、現地では効果が
薄いとしてすでに大規模な除染は断念し、避難した住民の
帰還も進んでいない。【チェルノブイリで大前仁】

(2)
読売新聞記事より =2012年4月25日(水曜日)

チェルノブイリ 食の苦闘
          原発爆発事故から26年 

 ソ連時代にウクライナで発生したチェルノブイリ
原発事故から、26日で26年となる。食物を通じて
セシウムなどが体内に入ることで起こる健康被害を
防ぐため、ウクライナは食の安全を守る取り組みを
長年続けていた。

乳幼児向けに厳格基準

 「この庭で作った野菜を食べているけど、この通り
健康だよ」。事故が起きた原発から約18キロ・メートル離れた
自宅に、事故発生3 か月後の1986年7 月から住み続ける
エフゲーニー・マルケビッチさん(74)が庭仕事の手を
休めて話した。線量計の表示は毎時0.13マイクロ・シーベルト。
人体に影響のない「正常」値だった。
 トマト、イングン豆、ニンジンなどの野菜は自給し、
井戸水は3か月に1度、政府の検査を受ける。食肉や穀物、
牛乳などはバスで近くの町へ買いに行く。
 原発から半径30キロ・メートルは居住禁止地域だが、地域内でも
線量が比較的低い地区には90人以上が暮らしており、政府も
黙認している。
 放射性物質の人体への影響には個人差があり、
マルケビッチさんのように元気な人もいる。ただ、
汚染地域では事故後、小児甲状腺がんが増加した。日本と
同様にウクライナでも放射性物質が体内に入る
内部被爆への不安を抱く人は多く、同政府は食品中の
放射性物質の規制値を世界的にみても厳しくしてきた。
 汚染された牛乳などを子供に飲ませ、小児甲状腺がんの
増加を招いた反省から、セシウム規制値は現在、離乳食などの
乳幼児食品について1キロ・グラム当たり40ベクレル(日本は50ベクレル)
、飲料水は同2ベクレル(同10ベクレル)と日本より低く厳しく設定し、
子供に最大限の配慮を示している。その一方、魚は150ベクレル、
食肉は200ベクレルと日本の一般食品(100ベクレル)より高い物もある。
 内部被曝問題に詳しい国立戦略研究所のオレグ・ナスビト氏は
「日本の基準は、ウクライナと比べても十分に厳しい」と評価する。

農業・畜産ノウハウ蓄積
 
 基準値を満たす農作物を栽培するには、土壌からの
放射性物質の吸収を抑える必要があるため、土壌改良や
農法の研究も積み重ねてきた。化学的性質がセシウムに近く、
植物のセシウム吸収を阻むカリウム肥料を多用する農法は
日本でも行われているが、ウクライナでも効果が確認されている。
 農業放射線研究所のワレリー・カシパロフ所長らは、
福島県でも行われている表層と地中の土の入れ替えについても
「効果がある」と話す。牛乳や食肉の汚染を防ぐため、
家畜の飼料にセシウム吸着効果がある青色顔料プルシアンブルーを
混ぜ、セシウムを排せつさせるという方法も推奨する。
 日本は今月、ウクライナと原子力事故の対応での協力に関する
政府間協定を結んだ。両国は今後、除染などの情報交換や
専門家交流を通して、食の安全や被災地の農業復活に向けた
協力を本格化していく。
 
(* ネット上に文章がなく、もらってきた資料を書き写しました。)

  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 政策塾では、チェルノブイリ現地視察に行った、この政策塾の
主宰の「公益法人日本生態系協会」の総務部長より現地のスライドを
紹介され、今現在どのような状況かを説明いただきました。
 
* 参考=協会URL
 http://www.ecosys.or.jp/aboutus/index.html 

 チェルノブイリ事故は「現場の判断ミス」だったのか?
 −もともとの構造欠陥である。(しかし、当時はソ連の
体質で「科学アカデミー」のお偉いさんたちの責任となる
ことを避けるために、作業員の責任とされたようだ。)
 
 現在でも現場より30キロ地点より内側に入るためには
ゲートが設置され、カメラ監視がされている。
 −そうはいいつつも、現在でも3つ村があり、その中には
70歳以上のお年寄りが120人ほど住んでいるとのコト。
(ピーク時には1500人いたという。)

 「石棺」が崩壊しつつあるので、2015年には現在の
「石棺」をまるまる覆う形状で新しい「石棺」をつくる。
(現在でも中心から300メートル地点では5.032μSV/h〜
 8.382μSV/hあるので、石棺による封じ込めは必須。)

(日本での)これからの問題は内部被ばくをどう防ぐか。

ドイツが原発をやめるという決断をした理由

(1)後始末ができない。
   (将来世代に責任が負えない。)
(2)安全性の問題
  (北部ニーダーザクセン州のアッセという場所で
   数年前から「核廃棄物スキャンダル」が
   発生している。・・・「ドラム缶に収容されている
   廃棄物」が保管されている坑内が崩壊しかけている
   可能性が指摘されただけでなく、塩分の高い地下水に
   よってドラム缶自体が腐食し、地下水の放射能汚染が
   考えられるようです。)
(3)国際情勢を考えて
   (自分の国内では大丈夫だと思ったとしても
    近隣国で有事の際には?)

 国際的に見て、なぜ日本が再稼動に踏み出そうとして
いるのかがわからない、「なんという愚かなことだ。」と
世界の研究機関からこの協会にコメントが寄せられている
とのことでした。

 ・・・ スライドをみせていただいたのですが、
   いまだに木々が茶色く立ち枯れているのを見たり、
   避難して使われなくなった公共施設を見ると、
   やるせない気持ちでいっぱいでした。

* 参考
 http://machi.userlocal.jp/kyori/ by 「原発距離計算機」
 試しに使ってみると・・・ 私の自宅の
  千葉県印西市西の原 は、
   福島第二原発から 185.42キロメートル、
   第一原発からは 196.21キロメートルの距離です。


<<お詫び>>
  本日(7/15)に出席を予定していた集会ですが、
 自家用車の鍵がどうしても見つからず(今も捜索中)、
 アシがなく、出席できませんでした。
 関係各位にご迷惑をおかけしたことをここにお詫びします。
 申し訳ありませんでした。
 

 ぐんじとしのり 
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posted by ぐんじとしのり at 02:12| Comment(0) | 放射線問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする